気候変動に関する取り組み
気候変動に関する取り組み
セカンドリテイリンググループでは、事業活動によりさまざまなモノの循環を生みだすことで、GHG排出量の削減やエネルギーの効率化を図り、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを実施しています。未来へ繋がる事業の実現を目指し、気候変動をはじめとする環境課題の解決に取り組んでいきます。
また、当社グループの事業は、モノの価値を再発見し、環境負荷の軽減と経済の循環を同時に実現する取り組みであるという考えのもと、2025年2月に「セカンドリテイリンググループ 環境方針」を制定しました。本方針において「循環型社会の促進・実現」や「気候変動への対応」などを掲げ、事業を通じた対策に努めています。
ガバナンス
当社グループでは、2024年8月よりサステナビリティ委員会を設置しました。本委員会は、企業理念である「豊かで楽しい日常の暮らしを提供する」ことを実現するための一助として機能し、持続可能な社会の実現への貢献をさらに推進するための機関です。
本委員会は、当社グループの持続可能な企業活動の推進を目的としています。環境・社会への配慮や多様性の尊重などを定めた行動指針を規定するとともに、代表取締役社長を委員長とし、常勤役員、執行役員および委員長が任命した委員によって構成されています。
本委員会は、原則として年4回開催され、マテリアリティ目標(KGI・KPI)の進捗モニタリングや、環境リスク重要度の評価など、当社グループにおけるサステナビリティに関わる取り組みの意思決定機関として機能します。
また取締役会と密接に連携し、当社グループのサステナビリティ経営に関する重要事項について協議・報告・提言を行うことで、経営層の意思決定を支援しています。
さらに、本委員会の下部組織として、複数の分科会を設置し、環境・社会・ガバナンスに関する方針や指標の策定、各部署の取り組みに対するモニタリングの結果を事務局にて取りまとめ、定期的な報告や進捗管理を実施しています。
加えて、当社子会社および関連会社においても、グループ全体のリスク特性に応じた柔軟な管理を行うことで、総合的なサステナビリティ推進体制を整えています。
戦略
気候関連のシナリオ分析
当社グループの財務に影響を及ぼす気候変動関連リスク・機会の特定にあたり、IEA(国際エネルギー機関)やIPCC(気候変動に関する政府間パネル)などのデータを基に、1.5℃(脱炭素化が進展するシナリオ)と4℃(温暖化が進行するシナリオ)の2つのシナリオ分析を実施しました。各シナリオ下で相対的に影響が顕在化しやすいと考えられる主要な気候変動関連リスク・機会に分析上の焦点を当てています。1.5℃シナリオでは、政策や市場の変化などに伴う移行リスク・機会を中心に評価を行っている一方、4℃シナリオでは、移行リスクの影響は抑制的、あるいは生じないとの想定のもと評価を行っています。
シナリオの定義
対象期間:2035年を中心とした世界を想定
対象範囲:当社グループ主要事業会社
(株)セカンドリテイリング、(株)ゲオ、
(株)セカンドストリート、(株)ゲオストア、
(株)おお蔵ホールディングス、(株)OKURA、(株)BANK OKURA
参照シナリオ:1.5℃においてはIEA NZE、
IPCC RCP1.9など
4℃においてはIEA STEPS、
IPCC RCP8.5など
シナリオの世界観
[1.5℃](脱炭素化が進展したシナリオ)
気象災害:4℃シナリオ比では抑制的だが、現状よりも激甚化が進行
炭素価格:GHG排出規制の強化により、炭素価格が上昇
規制対応:排出・省エネ規制の世界的強化に伴い、低炭素移行計画への投資コストが増大
市場変化:環境意識の成熟により、サーキュラーエコノミーが主流化
金融市場:ESG投資の拡大により、脱炭素に積極的な企業への投資・融資が加速
[4℃](温暖化が進行したシナリオ)
気象災害:豪雨・洪水の頻度と降水量が大幅に増加し、拠点対策やBCP対策コストが増加
運営費用:平均気温の上昇に伴い夏季の冷房負荷が増大し、店舗運営における光熱費が大幅に増加
資源価格:炭素税の影響は限定的だが、供給不安定や採掘環境の悪化によりエネルギー単価が上昇
需要変容:冬季の短縮や平均気温上昇により、冬物衣料・冬物家電などの季節需要が停滞
金融市場:社会的な対策意識は1.5℃比で低いものの、企業のレジリエンスへの選別投資が加速
気候変動関連のリスク・機会に対する財務影響
(百万円)
| 気候変動リスク・機会 | 財務影響額※ | |||
|---|---|---|---|---|
| 1.5℃シナリオ | 4℃シナリオ | |||
| 物理的リスク | 急性 | 自然災害の頻発化・激甚化による店舗修繕費や在庫被害額の増加 | △335 | △835 |
| 自然災害の頻発化・激甚化による店舗休業やサプライチェーンの寸断に伴う売上減少による利益の毀損 | △6 | △15 | ||
| 慢性 | 平均気温上昇による、夏季の空調に用いるエネルギー消費量の増加 | △1,010 | △1,043 | |
| 自然災害の頻発化・激甚化に伴う、保険料の増加 | △367 | △1,101 | ||
| 平均気温上昇による冬物衣料や家電などの売上減少による利益の毀損 | △4 | △12 | ||
| 移行リスク | 政策・法規制 | 炭素税や排出量取引制度の導入・強化による自社の店舗運営コストや、配送コストの増加 | △2,504 | △977 |
| プラスチック規制の強化に伴う、代替素材使用による梱包資材費の増加 | △86 | — | ||
| 電力会社の電源構成の変化によるエネルギー単価の増加 | △3,454 | — | ||
| 機会 | 製品・サービス | 環境意識の高まりを受けたサーキュラーエコノミーの拡大に伴う、リユース品の普及と買いやすさによる顧客の増加 | +221 | +6 |
| 評判 | 環境への積極的な取り組み、適切な情報開示による企業価値の向上や資金調達面での優遇 | +33 | — | |
※当社グループ主要事業会社の単年度の営業利益額に対する財務影響額の試算
表中の「△」は利益の減少(マイナス影響)、「+」は利益の増加(プラス影響)
当社グループにおいて想定される
気候変動関連のリスクと機会
| 気候変動リスク・機会 | 発現時期 | 影響度 | 主な対応策 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 物理的リスク | 急性 | 自然災害の頻発化・激甚化による店舗修繕費や在庫被害額の増加 | 長期 | 小 | 小 |
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| 自然災害の頻発化・激甚化による店舗休業やサプライチェーンの寸断に伴う売上減少による利益の毀損 | 長期 | 小 | 小 |
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| 慢性 | 平均気温上昇による、夏季の空調に用いるエネルギー消費量の増加 | 中期 | 小 | 中 |
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| 自然災害の頻発化・激甚化に伴う、保険料の増加 | 長期 | 小 | 中 |
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| 平均気温上昇による冬物衣料や家電などの売上減少による利益の毀損 | 長期 | 小 | 小 |
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| 移行リスク | 政策・法規制 | 炭素税や排出量取引制度の導入・強化による自社の店舗運営コストや、配送コストの増加 | 中期 | 中 | 小 |
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| プラスチック規制の強化に伴う、代替素材使用による梱包資材費の増加 | 中期 | 小 | - |
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| 電力会社の電源構成の変化によるエネルギー単価の増加 | 中期 | 大 | - |
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| 機会 | 製品・サービス | 環境意識の高まりを受けたサーキュラーエコノミーの拡大に伴う、リユース品の普及と買いやすさによる顧客の増加 | 長期 | 小 | 小 |
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| 評判 | 環境への積極的な取り組み、適切な情報開示による企業価値の向上や資金調達面での優遇 | 中期 | 小 | - |
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※1発現時期の定義:2030年までに発現するものを短期、2035年までを中期、2036年以降を長期と分類
※2影響度の算定:大・中・小の分類はIEA、IPCCなどの外部資料および当社データを用いて定量的な影響も検討しつつ、定性評価を実施
リスク・機会への対応策
シナリオ分析の結果、特定した重要リスクおよび機会に対する当社グループの認識と今後の対応策は以下の通りです。
エネルギーコスト上昇への対応
1.5℃シナリオにおける脱炭素移行に伴うエネルギー単価の上昇、および4℃シナリオにおける気温上昇に伴う冷房負荷の増大は、店舗型ビジネスを展開する当社グループにとって共通の重要なリスクであると認識しています。これらのリスクに対し、当社グループは店舗へのLED照明設置や、高効率空調機器の導入や断熱設備の採用による断熱性能の向上を順次拡大し、設備面からの省エネ投資を加速させます。さらに、空調設定温度の最適化や徹底した節電意識の醸成といった運用面の取り組みを並行して推進し、ハード・ソフト両面からエネルギー効率の最大化に努めます。
また、2024年より一部店舗へ導入を開始したオンサイトおよびオフサイトPPAの対象店舗を拡大することで、電力価格の変動リスクを低減しつつ、事業成長とGHG排出削減の両立を図ります。
事業成長と信頼強化
1.5℃シナリオを中心に加速するサーキュラーエコノミーへの転換は、リユース・オフプライス事業を展開する当社グループにとって極めて大きな成長機会です。不要になったモノに新たな価値を与え、循環させる当社の事業活動そのものが、社会全体のGHG削減に直接貢献するものであるという、ビジネスモデルとサーキュラーエコノミーの高度な親和性について戦略的な発信を強化し、積極的な認知拡大を図っていきます。
今後は、リユースの普及による顧客基盤の拡大に加え、独自の環境貢献価値を発信することで、リユース企業としての知名度およびブランド力を向上させ、持続的な事業成長へと繋げます。
同時に、非財務情報の積極的な開示や、第三者機関からの保証取得、外部認定の獲得を推進し、客観性と透明性の高い経営体制を構築することで、ステークホルダーからのさらなる社会的信頼を獲得していきます。
リスク管理
サステナビリティ委員会の下部組織である環境分科会において、気候変動に関するリスク・機会についての評価と各部署の取り組みのモニタリングを実施します。同分科会では、気候変動や法規制などの環境関連リスクと機会の見直し要否を定期的に判断し、その結果を踏まえた認識の共有と、対応戦略に関する議論を行います。そのうえで、事業に与える影響度や発現時期を分析・評価し、リスクの特定を行います。本分科会は原則として年4回開催され、審議された重要テーマにおける活動方針や指標の策定、各部署の取り組みのモニタリング結果は、事務局にて取りまとめサステナビリティ委員会へ報告されます。サステナビリティ委員会は、活動計画の承認や重要課題の審議、進捗・達成状況の評価を行い、取締役会へ報告・提言を行います。取締役会はこれらを受け、グループ全体のサステナビリティ方針を最終決定します。
決定された方針に基づき、各事業会社においては、事業特性に応じたボトムアップおよびトップダウン双方のアプローチにより、特定されたサステナビリティ関連リスク・機会を継続的に管理しています。
さらに今後は、これらのサステナビリティ関連リスクの評価・管理を、当社グループの全社的なリスク管理プロセスへ統合・連携し、リスクマネジメント活動の全般を統括する、より網羅的かつ一元的な管理体制の構築を推進していきます。
指標と目標
当社グループは、リユース事業をはじめとする循環型事業を通じて社会全体のGHG排出量削減に貢献するとともに、自社の事業活動に伴う気候変動への影響を緩和するため、GHG排出量の削減を重要な指標として設定し、管理しています。
ネットゼロ宣言と削減目標
当社グループは、気候変動への対応を重要な経営課題と捉え、2050年までにGHG排出量実質ゼロ(ネットゼロ)を目指すことを宣言しています。この長期目標に向けたマイルストーンとして、以下の通り2035年度を期限とする中間目標を設定し、グループ全体で削減に取り組んでいます。
ネットゼロへ向けた削減目標
| GHG排出量 ※ | 中間目標 | 目標年度 | 実績 (2026年3月31日時点) |
|---|---|---|---|
| 38,780t-CO2e 2019年度実績比50%削減 |
2035 | 76,525t-CO2e |
| GHG排出量 ※ | |
|---|---|
| 中間目標 | 38,780t-CO2e 2019年度実績比50%削減 |
| 目標年度 | 2035 |
| 実績 (2026年3月31日時点) |
76,525t-CO2e |
※国内主要事業におけるScope1+2の排出量
目標設定時にベンチマークとした当社グループの国内主要事業、下記4社を対象とする
(株)セカンドリテイリング、(株)ゲオ、
(株)セカンドストリート、(株)ゲオストア
GHG排出量実績の推移
気候変動対応の進捗を管理するため、当社Webサイトにて直近のGHG排出量(Scope1・Scope2・Scope3)の実績推移を開示しています。
セカンドリテイリンググループESGデータ
2026年6月24日
株式会社セカンドリテイリング